原町の家 プロジェクトが竣工しました。
鋸縞(ノコシマ)の家(Zag stripy house)と名付けました。
6mと4m道路に面した角地に建っています。近くの学校の子供たちが行き来する街の小さな交差点です。
6m道路には外壁を一部タイル張り外壁で施した門のような車の出入口があり、4m道路側には外壁のタイル張りと小庇が迎える玄関があります。
できるだけ角地に対して建築の裏と表ができないように…と考えていました。
外壁のタイルは、幅と厚みが異なったもので一つのユニットをつくり、それを規則的に並べ、均質でありながらも不均質に見える状態をつくれないか…と考え、均質な状態の塗装された外壁と比べ、タイルの厚みや幅の違いが凸凹感や影を落とし奥行きができることで、雑多で不均質な旧市街地の街並みに違和感なく建ち現れてほしい…と思いを込めています。
また、周辺の家々では、敷地の余白となる外構部分に植栽が植えられたり、鉢は置かれたりと、旧市街ならではの緑が多い道が続いていました。
そこで、植栽をポツポツと…二面接道の道路に沿ってぐるっと植え、周辺環境とできるだけ馴染んでいってほしいことを考えています。
LDKは3階建ての2階のフロアにあります。壁がないワンルーム空間です。
交差点の外部空間と内部空間との距離感は、遠すぎず・近すぎず…開きすぎず・閉じすぎず…と、どっちつかずな状態の空間なりました。
横長の採光窓、バルコニー付きの掃き出し窓、床から天井までの採光と通風の窓…と、三つの役割をもった開口部があるLDKとなっています。
この二つの考え…角地に対してぐるっと巻き込んだ外壁と緑、LDKの窓による外部空間との距離感があることで、建築が立ち上がった時…街に馴染んでくれたのではないか…と感じています。